司法書士 石井 一寛(石井・小島合同司法書士事務所)

会社設立の流れと必要な書類

記事一覧

■会社設立の流れ
会社設立手続きは、大まかにいえば、①会社の基本事項の決定、②定款の作成・認証、③資本金の払い込み、④登記申請、⑤登記後の手続きという順序で進行していきます。

■会社の基本事項の決定
会社を設立するにあたっては、まず、商号や印鑑、役員報酬、資本金額等の基本事項を決定します。これらは原始定款の作成や設立登記に必要になるほか、会社の方向性にも関わってくるため、最初に決定します。

■定款の作成・認証
定款を作成する際には、常に記載が必要となる絶対的記載事項をもれなく記載することが大切です。

絶対的記載事項としては、事業目的、商号、本店所在地、出資される最低額、発起人の氏名住所があります(会社法27条)。また、会社の成立時点までに、発行可能株式総数を定めておく必要があります(37条1項)。

定款を作成したら、公証役場に行き、公証人による認証を受けます(30条1項)。

■資本金の払い込み
資本金の払い込みは、銀行口座への払い込みによって行う必要があります。

発起人は、金銭以外の財産を給付することによって出資の履行を行うこともできます。これを、現物出資といいます。

現物出資には、手持ちの金銭があまりない場合でも出資の履行が可能になるという点でメリットがあります。ただし、検査役の選任には多額のコストがかかるため、現物出資は、検査役の選任が不要となる範囲で利用するのがおすすめです。

検査役選任が免除される場面としては、①出資額が500万円を超えない場合、②有価証券等を一定の価格で出資する場合、③弁護士または公認会計士等により価格が相当であることの証明を受けた場合があります。なお、不動産の現物出資においては、弁護士等の証明に加えて、不動産鑑定士の鑑定評価が必要になります。

資本金の金額に定めはなく、法律上は1円でも会社を設立することができます。しかし、実際には資本金100万円以上で設立されるケースが多くなっています。

■登記申請
登記申請は、必要書類を準備し、これを法務局に提出することによって行います。

必要書類としては、登記事項を記載した書類、印鑑届書、定款、発起人に関する書類(発起人の決定書・就任承諾書)、設立時代表取締役に関する書類(選定書、就任承諾書、印鑑証明書、本人確認証明書)、出資の履行の証明書、資本金額に関する証明書、登記申請書があります。

これらを入手・作成できたら、印鑑証明書以外の書類をホッチキスでまとめて、法務局に提出しましょう。

■登記後の手続き
必要書類の提出が完了すると、その日から会社が成立し、法人格を持ちます。しかし、登記後にも必要な手続きがあります。

1つ目は、印鑑カードの受け取りです。印鑑カードは、印鑑証明書を法務局で取得する際に必要になるカードです。設立直後は印鑑証明書が必要になる場面も多いため、法務局で交付申請書を作成・提出し、印鑑カードを受け取りましょう。

2つ目は、管轄税務署への申告です。法人設立届、青色申告承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書等は早めに提出しておきましょう。

このほか、厚生年金・健康保険・労災保険・雇用保険等の社会保険の手続きについても、設立時にまとめて済ませてしまうとよいでしょう。

石井・小島合同司法書士事務所では、群馬県高崎市で法務相談を承っております。群馬県や埼玉北部にお住まいの方で、家族信託や相続にお困りの方はお気軽にご連絡ください。初回相談は無料でお受けしております。